恒温槽(温湿度試験器)の選択方法 注意事項!

製品を世の中に出荷する前には、あらゆる環境でテストをする必要があります。

自動車なら、世界のあらゆる環境下でも、問題なく走ることを確認する必要があり、家電・電気製品は室内で使用される温度・湿度に問題なく使用できること、薬の場合も使用・保管される条件を想定して、問題なく成分が発揮されことを調べ、取得したデータにより、ある一定条件を定めて市場投入する、もしくは改良をするか判断する情報を知る必要がります。

例えば、製品情報を知らずに新製品を販売し不良品が出てしまったら利益を得る前に、不良品返品、市場クレームで大きな赤字になってしまいます。また人の命に関係する商品の場合は大きな損害が出るため、注視して調べる事は必須になります。

ちなみに、各分社のトップメーカーは、製品試験の費用に開発費の3倍,4倍それ以上のお金を投資されているのも事実です。

本ページでは恒温槽(温湿度試験器)を選ぶポイントと注意事項をご紹介させて頂きますので参考にして頂ければとおもいます。

恒温槽(環境試験機)の選び方

温度・湿度・試験環境を決める

試験の温度範囲・湿度の条件・サイクル試験の条件を決める。

通常は層内の温度:a℃、湿度:b%の状態を数時間一定に保ち次のステップで違う温度:c℃、湿度:d%を数時間一定に保つ試験を繰返して試験を行い、異常動作、変形、変色しないかを確認します。

または、高温高湿度運転を一定にして行う試験などがあります。
参考例として自動車用電子部品場合は下記温度・湿度で条件で問題なく動作する事を保証しているので、試験をされております。

最低温度:-40℃~最高温度:120℃
最高湿度38℃ 95%RH
つまり、最低温度 -40℃、最高温度120℃、最高湿度時の温度、3点以上の環境下での試験を実施をしいるのです。

※自動車の場合、真夏の炎天下の場所からの発進にて、80 ~120℃で安全作動を要求され、発進後10 分も走行すれば、エアコンが効き15 ~20 ℃になります。そして停車するとまた高温に戻る。
北国の冬は、早朝(-30 ℃前後)エンジンをかけると同時に全ての機能は正常に作動しなければなりません。発進後10 分もするとエンジンルームは80 ~120 ℃、室内はカーエアコンが効き20 ~25 ℃になり、停車しエンジンを止めるとまた-30 ℃に戻っていく。
この環境下で問題なく動作する事を求められています。
※試験内容は不明だが上記に記載した、温度環境での対応確認試験は行われております。

試験サンプル材料対策

試験サンプルの材料に依っては対策が必要です。対策内容は以下の通り

  • 爆発する恐れのある材料・・・電池関係(防爆仕様)
  • 揮発性材料・・・・・・・・・液晶ディスプレイ
    発生するガスにより機器が壊れる場合があります。(防腐対策)

などの対策をする必要があります。(実際によくある故障・事故です。

試験サンプル材料寸法(大きさ)・数量

試験サンプルの量を決める(1回の試験でテストする数量を決める。)

槽内に棚を設置する事は可能なので、1回の試験でテストしたい数量を決める。

注意事項
槽内は有効エリアがあります。槽内寸法がそのまま、試験エリアにはなりません。
槽内の端は設定温度と異なります。

一般的な有効エリア:槽を構成するそれぞれの壁面から、相対する壁面までの距離の1/6を除く空間。つまり4面の壁面からそれぞれ1/6は有効エリア外になります。
※ただし、最小50mm、最大300mmとする。

ケーブル孔/前面ガラス

槽内で電気配線をする場合にケーブルなどの配線類を槽外に出すための穴をあける場所は決まっており、左右の側面の補強材が入っていない場所に開ける事ができます。試料サンプルから配線しやすい場所、または、外側にある測定器や信号を送る機器の設置場所などを考えて付ける位置を決めて下さい。

※大きさは各メーカー2種類ほどありますので、配線ケーブルに合わせて大きさ、数を決めて下さい。

前面ガラス

試験中の資料を目視にて確認されたい方は必要です。

操作孔

試験中に扉を開けずに、資料を動かすための穴、ゴム手袋で槽内に手を入れて試験サンプルを触ること(動かすこと)が可能になります。

加湿水

加湿水は純水を用意ください。(電気導電率:0.1~10μS/cmの純水をご使用ください。)

※水道水、工場水、超純水は使用しないでください。故障の原因になります。
(工場水、水道水を使用されて、槽内に藻が生えたり、塩が着いたりして故障した事例が報告されております。)

加湿水の供給方法はタンク(装置内蔵式、汲み上げ式があり)もしくは直接配管があります。

タンク使用時の注意事項

タンクを使用される場合は予め純水を用意する必要があり、休日、連休などに連続試験をされたい場合は計画的に水を補給する必要があります。
その時の注意事項として、水を一番使用する条件が加湿試験から低温試験に移る試験になり、水を大量に使いますので注意が必要です。
※加湿試験から低温試験に移る場合は槽内にある水をすべて排水しますので水を大量に使用します。(水が槽内にあると凍るので、一旦すべて排水します。

直接配管方式

工場内に、純水が流れている場合は、そのまま純水配管を繋げば問題がありませんが、無い場合は、純水を作る必要があります。

純水を作る方法として「カートリッジ純水器」と「純水装置」があり、工場水、水道水を両機どちらか繋ぎ出来た純水を恒温槽に繋ぐ方法があります。

参考に純水装置メーカーのURLをつけさせて頂きましたのご確認下さい。純水装置メーカー(オルガノ社ご確認下さい。

排水

水を大量に使うので排水の事も考える必要があります。

バケツで受ける方法と直接排水管に繋ぐ方法があります。

注意事項としては、バケツで受ける場合はコマ目に貯まった水をほかす必要があります。

直接排水の場合は排水場所との距離を短くする必要があります。
※排水場所との距離がある場合は、配管の途中で水が貯まり、ボウフラ等が発生する場合がありますので注意が必要です。

設置場所と設置場所についての注意事項

設置場所の注意と所の注意と風通りの良い所に設置して下さい。

注意としては、故障時、メンテナンススペースが必要になるので、最低でもメンテナンススペースは確保して下さい。(メンテナンスエリアは装置によって異なる為、検討時に装置メーカーにお問合せ下さい。

搬入ルート

大型サイズの恒温槽は重量物になる為、搬入ルートにOAフローを通る場合は、フロアーが壊れる恐れがありますので、搬入時に鉄板など養生するものを準備を忘れない様に依頼して下さい。

また、搬入ルートに段差がある場合は別途搬入費用が加算されます。

搬入時はハンドフォークで運ばれるので装置の高さ+(プラス)ハンドフォークの高さを考慮して搬入ルートを決めて下さい。

2F以上に設置する場合は、必ずエレベータが使える事を確認下さい。
装置が入り恒温槽の重量に対応したエレベータがある事が厳守になります。

その他の注意事項

電気業界では事務所など、実験室に設置されるケースが多くあり、事務所、実験室には多くの電子機器がある為、パン皿(受け皿)の上に設置する事をお勧めします。

機器からの水漏れなど故障が起こった場合、フロアー全体が水浸しになり、恒温槽だけでは無くその他の電子機器も壊す恐れがありますので、事務所、実験室に設置される場合は漏れ水を受けとめるパン皿の設置をお勧めします。

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